2018年10月15日(月)
競馬における血統馬券とは「短距離戦だから短距離血統」を、「長距離戦だから長距離血統」を、といった決まりきったルールには必ずしも縛られないところに醍醐味があります。
芝1200m戦の超不良馬場ではスタミナ血統馬が、超高速馬場の長距離戦ではスピード血統が走りやすくなることなどは、血統派であれば説明不要の恒例と言えるでしょうか。
今週末に行われるクラシックの最終戦、菊花賞(京都芝3000m)も、まさにその「長距離戦でも短距離血統馬」が走りやすいレース。
良馬場で行われた過去5年中3年の菊花賞で、当日単勝6番人気以下で3着以内に好走した馬は、レインボーライン、エアスピネル、ゴールドアクターの計3頭。
この3頭中2頭は、菊花賞出走以前に芝1600mの重賞勝ち実績を持っていた馬。
また、レインボーラインの母父フレンチデピュティ、エアスピネルの父キングカメハメハ、ゴールドアクターの父スクリーンヒーローに共通することは、自身か産駒がマイル以下のG1レースに勝利実績のある種牡馬であること。
2015年の勝ち馬キタサンブラックも、母父が短距離血統のチャンピオンサイアーとして知られるサクラバクシンオー。
あのエアスピネルが3着に走ってしまうレース、と言えば最も簡潔でしょうか。
「長距離戦でも短距離血統馬」
良馬場を大前提に近年の菊花賞は、ある種のスタンダートとも言えるこの戦略が面白いようにハマリます。
但し今年のメンバー構成は、マイル重賞勝ち馬が不在。
ワグネリアン、レイエンダ等々の主力級不在の状況も含めて、極めて難解なレースであることは間違いないでしょう。
皐月賞馬エポカドーロは、母ダイワパッションが現役時代に1400m以下の芝重賞を2勝の背景。
出走メンバーの中でも、数少ない芝の1600m戦の勝利実績馬。
前走で露呈したゲートの課題を克服できれば、まず勝ち負けを争うでしょうか。
メイショウテッコンの母エーシンベロシティは、現役時代にダート短距離戦を主戦場にしていた馬。
その母の影響を強く受け継いだスピード脚質で、メイショウテッコンの勝ち鞍4勝中2勝はハナを主張してのもの。
前走の神戸新聞杯では、ラストの決め脚比べで僅差3着と後塵を拝したものの、その前走以上に短距離寄りのスピードが活かされる良馬場の菊花賞であれば、さらにパフォーマンスを上げる可能性も。
グローリーヴェイズの母父スウェプトオーヴァーボードは、スプリンターズS連覇を果たしたレッドファルクスの父としても著名。
今年のスプリンターズSで13番人気3着と、大波乱を演出したラインスピリットもスウェプトオーヴァーボード産駒で、言わずと知れたスプリントサイアー。
当種牡馬の血を強く受け継いだ母メジロツボネも、現役時代の勝ち鞍4勝が全て1400m以下のスピード型。
あくまでも血統的な見地のみでの見解という意味では、極めて菊花賞向きのキャラクターとまで言えるでしょうか。
尚、近年の菊花賞は、この「スピード血統」の傾向に伴い、内枠有利の方向性も顕著。
特に2枠以内を引き当てた馬は、直近5年で4勝と驚異の戦績。
昨年も単勝10番人気の4番クリンチャーが2着。
2015年は、2枠以内馬が1着3着。
近年の菊花賞における枠順の有効性は、血統的な傾向よりも著名でしょうか。
※菊花賞の展望、見解は水曜日以降に掲載予定です
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