2018年07月16日(月)
日本の夏競馬と言えば、新馬戦や2歳戦といった、いわゆる若駒たちの始動のシーズンとしても知られています。
この2歳レベルの競馬の中でも、特に注目すべき項目が「新種牡馬」の産駒たちの存在でしょうか。
昨年初年度を迎えたロードカナロアの産駒は、芝2400mのG1レースであるオークスを制覇。
こちらも昨年の初年度オルフェーヴルの産駒は、芝よりもダート戦の勝ち上がり率が高い種牡馬。
このように、当初のイメージを覆す産駒の傾向をいち早く把握することなども、2歳戦の競馬により深みとコクを与えます。
今年の新種牡馬のラインナップでは、初年度から200頭以上の種付けを行い、セレクトセールでも高額馬を輩出したジャスタウェイ(父ハーツクライ)が最も注目を集めていますが、馬券の旨みや「意外性」という意味では、北米からの持ち込み種牡馬ダンカークに注目したいところ。
当種牡馬の産駒は、先週の2歳戦に7頭が出走して3着以内好走馬が3頭。
その3着以内好走馬は、全て当日の単勝人気を上回る着順。複勝率は驚異の42.9%。
ダンカークは、父Unbridled's Song、母シークレットステイタス、母の父A.P.Indyという米国産馬。
母はケンタッキーオークス(G1)、マザーグースS(G1)などを制した名牝で、1歳時に上場された2007年のキーンランドセプテンバーセールでは、当時の日本円で約3億8000万円で落札された超のつく良血馬。
このダンカークは、フロリダダービー、ベルモントSと2つのG1レースで2着と結果を残すものの、僅かに5戦2勝の競走成績で3歳春に現役を引退。
良血ながらも、その競走成績や米国のダート血統という観点から、現状はそこまでフォーカスされることはありませんが、「仕上がりの早さ」と「芝にも対応するスピード」という長所を活かして、この夏の2歳戦で大車輪の活躍を魅せています。
また当種牡馬は、芝の競馬で好走馬を輩出することはもちろんのこと、芝1200m戦のスピードタイプもいれば、芝1800m戦、2000m戦にも対応できる中距離タイプも輩出するなどの多種多様性も興味深いところ。
自身が米国3冠ロードの最長距離レース、ベルモントS(ダ2400m・G1)の実績馬であることから、当初はダート指向の中長距離タイプといった論調が目立ちましたが、蓋を開けてみれば、芝の短距離、中距離にも対応する万能タイプ。
この「意外性」は、前項で取り上げた昨年初年度のロードカナロア、オルフェーヴルなどとも通ずるところがあります。
かつて米国から輸入されたサンデーサイレンスも、自国で全く評価されることなく売却された「無名のダート中距離馬」という評価を受けていた1頭。
今や日本が誇る大種牡馬も、「日本の芝の競馬に対応するスピードの絶対値」と「競走馬として最も重要視される闘争本能」といった意外性を武器に数々の名馬を送り出しました。
言うなれば、一流の種牡馬には「意外性」があり、「意外性」のある種牡馬は一流になる資質を秘めています。
そういった意味で言えば、このダンカークも、トップサイアーになる資質を秘めた「意外性」のある種牡馬。
果たして、新種牡馬ダンカークは、どこまでの「意外性」と将来性を秘めているのか。
そんな尺度で2歳戦を見ると、これまでにも増して競馬が楽しめるかもしれません。
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