2018年05月28日(月)
東京競馬場で行われた第85回日本ダービーは、単勝5番人気のワグネリアンが大混戦を制して優勝。
実に19度目の挑戦で、悲願のダービー制覇を成し遂げた福永祐一騎手の涙のウイニングランも、多くの競馬ファンの皆様に、夢や感動を届けたのではないでしょうか。
「ダービージョッキー」は、騎手であれば誰もが焦がれるであろう最大にして最高の称号。
普段は冷静沈着で知られる福永祐一騎手の涙は、ダービーステークスが持つ唯一無二の存在意義を集約するものだったと言っても決して大げさではないでしょう。
ダービー開催の裏開催となった先週の京都競馬場では、そんな桧舞台の影で虎視眈々と次代のダービージョッキーを目指す若き可能性の活躍も際立ちました。
昨年デビューの川又賢治騎手は、当日単勝7番人気以下の伏兵で2勝。
武者修行中のオーストラリアから一時帰国中の坂井瑠星騎手は、日曜の乗鞍9鞍中6鞍で掲示板内(5着以内)を確保。その内4鞍が3着以内。
ダービー開催の裏で、川又賢治騎手、坂井瑠星騎手の2人の活躍は特に際立ちました。
話は若干、逸脱しますが、実はこの川又騎手と坂井騎手は、競馬学校に入る前からの仲で、中学生時代は同じクラスだったこともある同級生。
坂井騎手が多数のメディアに「同級生どころか大親友です」と語っている通り、現在の活躍は2人で切磋琢磨した背景があることも見逃せません。
中学3年の時、2人は一緒に競馬学校を受験しますが、川又騎手は惜しくも落選。
大井競馬のトップジョッキーである坂井英光騎手を父に持つ瑠星騎手と自分とでは、当時それほどまでに能力の差があったと、川又騎手は振り返っています。
この挫折から本気になったという川又騎手は、翌年に競馬学校を合格。同級生で大親友ながらも、競馬学校では先輩後輩の間柄という不思議な関係性は、この時に出来上がったそうです。
一年早くプロの世界へ足を踏み入れた坂井瑠星騎手は、デビュー年に25勝。その翌年2017年シーズンは36勝の大活躍。
その活躍に刺激を受けた川又賢治騎手は、競馬学校卒業時に、技術面で最も優れた生徒に贈られるアイルランド大使賞を受賞。現時点の今年の勝ち星は坂井騎手を上回る15勝。
先を行く坂井騎手の背中を追いかける川又騎手。この相乗効果があるのか、若き2人の可能性は、着実にスターダムへの階段を駆け上がっています。
中学生時代の坂井騎手と川又騎手は「二人でダービーの舞台に立ちたいね」というような話も日常だったそうです。
いわゆるG1レースの裏開催となった先週の京都競馬場で両騎手が魅せた活躍は、二人のダービーに対する強い想い、あるいは優駿の舞台に対するあくなき野心の賜物だったのかも知れません。
全くの余談ではありますが、競馬の世界では1つ下の後輩になる川又騎手は、今でも「先輩」の坂井騎手には敬語を使うそうです。
坂井騎手自身はそれを好意的には捉えていないようですが、そんな謙虚な姿勢が今の活躍に繋がっているのかも知れません。
現在の日本競馬会における騎手事情は、外国人ジョッキーや一部の騎手などに有力馬が集まり過ぎるエージェントの問題等々、ネガティヴな背景ばかりが取り沙汰される風潮があります。
しかしながら、我が国の競馬会の未来を背負って立つであろうダイヤの原石の存在も確かにあります。
いち競馬ファンの観点から見れば、そんな競馬会のネガティヴな問題ばかりに執着するのではなく、光り輝く未来を描いたほうが、より競馬を楽しめるかも知れません。
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